ロート製薬 新CI『NEVER SAY NEVER』策定

新CIへの意気込みを示した山田会長(左)と吉野俊昭社長
新CIへの意気込みを示した山田会長(左)と吉野俊昭社長

 ロート製薬はヘルスケア分野を中心に幅広い領域にまたがった事業展開を図る経営方針に沿い、新CIとして『NEVER SAY NEVER』を策定した。

 同社は目薬や肌ラボ、Obagi、和漢箋などのHBC商品による基幹事業と並行し、近年は再生医療研究や健康関連の食分野に絡むアグリビジネスへの参入といった経営の多角化に乗り出しており、“不可能は絶対にない”とのチャレンジ精神を表す新CIを機に、グローバル展開も見据えた形で「健康寿命への貢献」をテーマとする総合的な健康関連企業の追求を進める。

 

新たな統合ヘルスケア事業創造に意欲

 

 経営多角化について同社では、高齢社会における健康寿命延伸機運の高まりや生活習慣病対策を中心とする関連ビジネスの発展などにより、ヘルスケア市場が従来のOTC薬や化粧品に留まらず日常生活や食、先端的なライフサイエンスまで広がりつつある情勢を指摘。戦略的に食と再生医療への注力を図る試みを通じ、「従来の健康と美容の領域間を繋ぐことで、当社にしかできない独自性ある新しい統合事業を創造する」(山田邦雄会長兼CEO)との方針を固めている。

 

 先ごろ東京支社で新CIと今後の事業戦略を説明した山田会長兼CEOは、アジア新興国の急速な台頭をはじめとするグローバル市場的にも、ヘルスケア産業が既存の業種を超えて競争激化を辿ることに危機感を示す一方、「幅広い分野にまたがるユニークな経営がロートの強み。新規参入するだけではなく、それぞれの領域を超えた隙間にこそチャンスがある」と強調した。

 

 具体例として再生医療における脂肪由来幹細胞研究では、百貨店ルートの高級化粧品「エピステーム」の高浸透技術に結び付けるほか、アグリビジネスで手がける沖縄のシークワーサーの皮から抽出した成分・ノビレチンに対し、アンチエイジング効果に関わる臨床データを蓄積。今年度にもサプリメント化を図る予定にある。こうした手応えを踏まえて山田会長兼CEOは、「うまくいかなかったプロジェクトや商品は少なくないが、我々なりに新しいものを開拓して来られたという自負はある」と述べ、今後のヘルスケア市場は様々な産業による参入で高度化していくとしながら、「『できない』ということを決して言うことなく、常に実力を少し超えるぐらいの背伸びはしていこうという想いを込めた」と、新CIに基づく新たな事業展開への意気込みを示した。

 

薬局新聞 2016年3月2日付