業界主導での次世代ビジョン推進を強調 JACDS

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の宗像守事務総長は、6日に開いた定例会見で厚生労働省が公表した患者のための薬局ビジョンに関し、「国から示されて鋭意努力するというのは違うのではないか」と薬局・薬剤師が受け身に回っている状況に疑問を呈した。

 JACDSではドラッグストア(DgS)店頭での健診対応をはじめ、患者情報に基づく効果的な健康維持や予防提案、セルフメディケーション支援を図る新たな機能・サービスの実現に向け、先ごろ日本ヘルスケア協会を立ち上げて課題となる法制度や業界慣習を超えた可能性の模索に乗り出しており、高齢社会に対応した今後の“あり方”を業界が自ら導く展開を強調している。


 会見で宗像事務総長は、かかりつけ薬局・薬剤師への再編を主軸とする厚労省ビジョンについて、そもそも『かかりつけ』は店舗が標ぼうするようなことではなく利用者とし、「高齢社会において患者や顧客の要求に応えるため、薬局・薬剤師が今後どのような役割や機能を果たすべきかという発想が本来であり、どうすれば調剤点数が取れるかというような従来の姿勢は全く期待されていない」と指摘した。


 その上で患者視点ではなく行政からビジョンが示される状況に対して「残念なこと」との感想を述べるとともに、「結局それがまた点数に反映されるといった展開は本当に白ける。自らではなく役所主導で進められるから(健康サポート薬局の取りまとめで)OTC薬を扱わないというような信じられない結果が出てくるのではないか」と痛烈に批判した。


 また、薬局・薬剤師のあり方に関する一連の動きの背景として宗像事務総長は、高齢化の進展による医療費逼迫、地域包括ケアシステムといった環境的要素や、分業バッシング以前に「薬剤師そのものの見直し論が医師会方面から聞こえている」と薬剤師の無用論に発展しつつある情勢を強調。

 そうした危機感からも薬局・薬剤師自身が医療や社会での有用性を示していく努力が必要とし、「だから我々DgSは自分たちで動き始めた。もう実行できないところは排除するぐらいの形で進められるべき」との考え方を寄せた。


 一方でJACDSが設立に働きかけた日本ヘルスケア協会については、セルフメディケーションや予防方面に規制を主張する医師会への“対抗勢力”とも受け取られている件を否定し、「政府の日本再興戦略を実現する唯一の民間団体として、基本的に医療制度を次世代に残すためにヘルスケア産業を育成することが目的で、医師が安心して将来も医療を行える環境作りにも関わる。重症化する前に地域の潜在患者を医療へ送る仕組みを作ることができれば、医師会とも組めると考えている」と、逆に医師会との協調に働きかけていく可能性を示唆した。


薬局新聞 2015年11月18日付