てんかん患者への理解や社会啓発の重要性強調

 東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野の中里信和教授は、大塚製薬及びUCBジャパンが開催したメディアセミナーの中で、てんかんの疾患教育と社会啓発の重要性を訴えた。

 てんかん症状は患者により多様性があり、約7割の患者において薬で症状がコントロールできる病気である一方、社会における偏見が根強い現状を踏まえ、患者とその周辺の理解こそがキーワードであるとの認識を示した。


大塚製薬・UCBジャパンセミナーで東北大・中里教授が講演


 てんかんは神経細胞の過剰興奮が発生するもので、発作を繰り返すことが症状とされている。脳のあらゆる異常が原因で発生するが、発作がないときは正常でごく普通の生活を送ることが可能。

 人口の1%で約100人に1人が罹患している可能性があり、決して珍しい病気ではないのが実態であるという。


 発作の発現にも個人差があり、意識が著しく低下するものの、他人からはほとんどわからない「無意識型」から思春期に多い「ピクン発作」、全身を痙攣させる「大発作」があるが、中里教授はいずれも「ただのてんかん。安全に終わらせることが重要」と語り、怪我をしそうな危険物を患者から離したり、呼吸しやすい姿勢を維持したりするなど、発作が完全に終了するまで付き添えば通常生活に戻れることを強調した。


 WHO(世界保健機関)のファクトシートにも記載されている疾患でありながら、日本国内での偏見は根強い状況を踏まえ中里教授は「近眼であればメガネやコンタクトレンズを使用するように、てんかんも薬を服用すれば何の問題もないことを広く知らせていくことが求められる」と述べた。

 治療における重要な要素として「発作、副作用、悩みのいずれもが0になること」をあげ、治療が困難な症状でも副作用をできるだけ低減する薬物治療と、発作時の対応が取れる周囲への啓発がポイントとなることを訴えた。


薬局新聞 2015年8月19日付