一つの医療機関に特化した薬局の必要性に疑問

 分業率が7割に達する現状の中で、特定の病院に特化した薬局を作ることは理解できない。

 日本薬剤師会の森昌平副会長は、3月14日に開催された日薬会合でこのように述べた。

 前日に公開ディスカッションを終えての率直な感想を漏らしたもので、いわゆる敷地内薬局を認めるべきとする規制改革サイドとの認識の違いを改めて強調した格好だ。


 発言は「地域・在宅医療、薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進事業等担当者全国会議」の中で語ったもの。

 日薬として公開ディスカッションに臨むにあたって森副会長は、「薬剤師が関わるメリットを知ってもらおうという前向きな気持ちで会合に臨んだ」とコメントし、医薬分業の歩みやその理念を展開することに主眼を置いていたと打ち明けた。


公開ディスカッションで敷地内薬局を改めて否定


 公開ディスカッションでは「病院と薬局の一体的な構造の規制」と「医薬分業におけるコストとメリット」の2テーマがあげられていたなかで、「一体的な構造の規制を見直すことは規制改革であると思うが、院内処方と院外処方の料金に違いがあることを見直すことが、どこの規制改革に繋がるのか全く理解できない」とコメントし、特に後段の部分については、専門機関が機能分化をすれば一時的な費用は発生するものであり、医薬分業はそもそも医療費を下げるための制度ではないと付け加えた。


 前段の一体的な構造に関しても「医療機関と一体的な構造となると機能面でも特定の医療機関に特化したものになる。

 地域包括ケアが推進されようとするなかで薬局の目指す姿は、さまざまな医療機関からの処方せんや在宅医療に対応できる薬局。

 患者を一元的にかつ全人的に管理することで医薬分業の本当の効果が発揮できる。

 そうした将来を見据えるなかで、ひとつの医療機関に特化した薬局は本当に必要か」と規制改革の本質的な部分に疑問を呈した。


 その一方で、公開ディスカッションを辿る結果になった要因にいわゆる分業バッシングがあったと分析し、一般紙の報道などに加えて、昨今の薬歴未記載問題や調剤におけるポイント付与問題も遠因にあると指摘。

 「薬剤師は薬剤師法に定められた任務がある。その任務を果たすために独占的な業務が認められており、そのためにさまざまな法令を遵守しなければならない。それが薬歴を書かないで請求をし、ポイントは法令にないことかもしれないが、今では薬担の中で付与が禁止されている。現在も多くのチェーン店で実施されていることが、今回の公開ディスカッションに結び付けられてしまうのではないか」と話した。


薬局新聞 2015年3月25日付