【薬局レポート】薬樹Laboratory

 首都圏を中心に保険薬局を展開する薬樹はこのほど、同社の健康に対する概念である「健康な人、健康な社会、健康な地球」を表象した新ロゴ『健康さんじゅうまる』を制定し、全146店舗の店名・外観のリニューアルを行った。

 店舗全体での統一感を打ち出すとともに、“健康ナビゲーター”として位置付ける薬局機能の更なる活用により、生活者に対する一層の健康への貢献を目指していく構えだ。

 あわせて東京本部に同社薬局の標準店舗モデルとなる『薬樹

Laboratory』を設置。ガラス張りの調剤室や正対しないよう作られた投薬カウンターなど特徴的な設計となっており、生活者や地域とのより充実したコミュニケーションにつながる取組みとして大いに注目できる。


店名に“薬樹”冠し統一感発揮


 同社では2009年より“健康ナビゲーター”をコンセプトに、生活者へのアドバイスにとどまらず健康へと導くための取り組みを促進。

 薬局事業として標準型の保険薬局「薬樹薬局」のほか、在宅対応型の「訪問健ナビ薬局」、健康サポートに注力する予防対応型の「健ナビ薬局」、物販などにも積極的な「スロースタイルLiko」を展開するなど、保険調剤だけでなく、物販や管理栄養士の活用といったサービス提供などにより“処方せん屋”から“健康屋”へのビジネス転換を進めてきた。


 そして今回、新ロゴ制定に伴い店名全てに“薬樹”を冠し、看板などの外観も統一。

 こうした取組みについて吉澤靖博常務は「これまでの実績やノウハウをトータルに踏まえ“薬樹”という看板を表に出してもいいタイミングと判断した」と語り、4ブランドの店名全てに“薬樹”を冠することで、ファミリーブランドのような統一感を打ち出し“健康屋”としての存在価値をより一層発揮していく方針を強調した。


“見せる薬局”を標準機能に


 このほど本部に設置された『薬樹Laboratory』は、同社の新店「薬樹薬局宮前平」とほぼ同じ設計となっており、実店舗と同じ環境を再現することで調剤業務のオペレーション開発や社員の業務スキル向上の場としての活用を目的としている。

 特長としては、調剤室を全面ガラス張りにし、待合室からだけでなく薬局の外からも調剤室が見られる設計を採用。

 店舗内・外からコンプライアンスに則った正しい調剤工程を見せることで安心・安全をアピールするとともに、生活者にとってはあまり見る機会のない薬剤師の仕事に関心をもってもらい感覚的な待ち時間を減らす効果も狙いとしている。
 今後オープンする新店では、こうした“見せる薬局”を基本コンセプトとして展開する方針で、しばしば指摘されがちな“顔の見えない薬剤師”からの脱却を図り、患者や地域とのより密接した関係性の構築を目指していく構えだ。

 また投薬カウンターは患者と薬剤師の位置関係が45度の角度になるよう設計されており、そうすることで正面で向かい合った時の圧迫感をなくし、より距離感を縮めたコミュニケーションにつなげるといった工夫を施している。


 管理栄養士を活用した取組みも同社の特長の一つで、現在は健ナビ薬樹薬局を中心に約40人の管理栄養士が店舗に常駐し、来局者に対し食生活チェックなどを行っている。

 さらに機器を用いた体成分・食事分析などのほか、店舗内外のイベントでも薬剤師とともに健康・栄養に関する情報発信を積極的に行うなど、健康情報拠点として地域の健康維持や予防意識の向上に働きかけている。

「薬樹薬局上小町」(埼玉県さいたま市)では岩手県にある「薬樹の森」の間伐材を薬局づくりに利用するなど環境に配慮した取組みにも力を注ぐ
「薬樹薬局上小町」(埼玉県さいたま市)では岩手県にある「薬樹の森」の間伐材を薬局づくりに利用するなど環境に配慮した取組みにも力を注ぐ

 今回のブランド戦略について「“健康屋”へと生まれ変わるための薬樹全体の決意表明」と力強く語る吉澤常務の言葉も、処方せんをもっていなくても気軽に入れて相談できる薬局としての取組みに注力してきた同社だからこそ説得力を持っており、今後も生活者や地域の健康ナビゲーターとしてのさらなる役割発揮が期待される。

 

薬局新聞 2015年2月11日付