産学連携で遠隔服薬管理ツールを開発

 在宅・施設患者の安全な服薬をサポートすることを目的に、電設開発メーカーのリードエンジニアリングと横浜薬科大学・総合健康メディカルセンター(センター長・渡邉泰雄教授)は産学連携で服薬サポートシステム「かれん」を開発し、薬剤師・介護士などの負担軽減に貢献する構えだ。

 「かれん」は、患者が自宅や施設で利用する薬を入れるポケット付きのボードと、薬局側がネット回線を利用して遠隔で患者の服薬状況をモニターできるPC用アプリケーションで構成される。

 薬を入れるポケットは横一列に『朝・昼・夕・寝る前』の4回分、縦に7日分並び、合計28個(1週間分)の薬剤を服用時ごとに小分けしてセットできるようになっている。

 全てのポケットに赤外線センサーが搭載されており、患者が薬を取り出すことで感知して管理システム側に記録。

 予定の服用時間通りに薬が取り出されていない(飲み忘れ)、または飲み過ぎなど不適切な服用が発生した場合、自動的にメールで薬剤師・介護士等の管理者に知らせる仕組みとなっており、管理者は患者に直接連絡するなど安全確保や状況判断に繋げることができる。

 

服薬管理に加え独居高齢者の「見守り」機能としての活用も


 開発の経緯についてリードエンジニアリング代表取締役の中山健一社長は、「これまでは介護施設や居宅療養患者の服薬管理は施設職員や患者本人にゆだねられていましたが、実態として飲み忘れや飲み過ぎなどが発生していました」と説明する。

「かれん」を開発したリードエンジニアリング・中山社長(右下)とスタッフの皆さん
「かれん」を開発したリードエンジニアリング・中山社長(右下)とスタッフの皆さん

 こうした背景から管理者が遠隔地からリアルタイムに服薬状況を把握できるシステム開発の要望が寄せられていたという。


 開発段階ではボードを置く場所の光量や昼夜の明暗の差でセンサーの反応が変わってしまうなど、様々な苦労の経緯があったそうだが、完成品ではあらゆる環境下でもセンサーの誤差を最小限の範囲に留めることに成功。

 ほとんどの薬剤の包装や一包化したシートの透明なフィルムにも反応する高い精度を持つ。今後はポケットボードの小型化なども踏まえ、より実用化へ向けた対応を行なっていく。


 設計にあたり横浜薬大の渡邉教授が現場の医療従事者からの意見を取りまとめ、その結果が今回の仕様に結実した形だ。

 服薬管理だけでなく独居高齢者の安否確認ができる「見守り」機能としての利用にも期待できるとしている。

 薬局・薬剤師の在宅方面への進出は待ったなしの状況だが、多くの在宅患者を管理することで作業負担が増大することも予想される。

 遠隔管理をコンセプトとする「かれん」は新発想の業務支援ツールとして注目を集めそうだ。


薬局新聞 2015年2月11日付