検体測定室「小田急ケアプロ登戸店」オープン

 セルフ健康チェックサービスを手がけるケアプロと小田急電鉄は、小田急線登戸駅の利用者及び沿線住民を対象にした検体測定室『小田急ケアプロ登戸店』(神奈川県川崎市)を1月16日にオープンした。

 同駅の1日利用者数は小田急電鉄内でトップ5に入り、東京と神奈川を結ぶターミナルステーションのひとつ。

 通勤・通学はもちろん新宿から急行で約20分という利便性もあって、幅広い生活者が駅周辺に暮らしている。そのような立地条件もあり、いわゆる健診弱者へのアプローチを掲げるケアプロと、健康関連事業を推進したい小田急の思惑が合致してオープンに至った同店は、初年度に約2万人の利用者を見込んでいるという。

 オープンに際して、テレビ局をはじめとするさまざまなメディアからの取材が行われるなど、検体測定室の具体的活用例として注目が集まっている。


駅構内に検体測定室を設置し手軽な健康チェックを提案

小田急線登戸駅改札前に設置しており買い物途中の主婦など幅広い層の生活者が利用しやすくなっている
小田急線登戸駅改札前に設置しており買い物途中の主婦など幅広い層の生活者が利用しやすくなっている

 

 検体測定室『小田急ケアプロ登戸店』は、小田急線・登戸駅構内に立地し、JR線への乗り換え改札とも近接しており、小田急電鉄によると1日の平均利用者数は16万人に達するという。

 検体測定室を開設するに先立って、ケアプロと小田急は同駅含む沿線7駅(町田・相模大野・藤沢・海老名・経堂・新百合丘)で測定イベントを実施し、各地で100人を超える反響を見せていたことから、本格的な常設店の開設に着手。

 沿線には健診機会が極めて少ない主婦層も多く住んでいることや、平均的な利用者数などから登戸駅でオープンするに至った。

 ただ、厚労省の検体測定室に関するガイドラインや自主点検の求めが示されるなど、不透明な部分がクリアになるまでタイミングを計ったことをケアプロの代表取締役社長・川添高志氏(看護師・保健師)は説明する。

常駐する看護師等の指導下で利用者は採血行為を実施。血液の拡散防止のため、シートの上で実施するなどの工夫も
常駐する看護師等の指導下で利用者は採血行為を実施。血液の拡散防止のため、シートの上で実施するなどの工夫も

 検査メニューは骨密度や血管年齢など手軽に行えるものから、血糖値や中性脂肪、ヘモグロビンA1cなど採血を必要とする検査項目までラインアップされている。一項目500円から検査することができ、セットプランでさまざまな数値を計測するメニューまで取り揃えている。検体測定室としての申請であるため、看護師・臨床検査技師が常駐しており、休憩時間を除いて全項目の検査が実施可能となっている。
 

医師会・薬剤師との連絡もスムーズに

 

 ケアプロはこれまではドラッグストアやコンビニなどとのコラボレーションも行っていたが、「当面は登戸店でのノウハウを収集することになります」とのことで、小田急沿線での展開に注力する構えだ。


 小田急側としても「これまで健康関連事業はフィットネスクラブを展開していましたが、検体測定室のように具体的に健康関連数値を調べるような内容はありませんでした。自治体からも健診を受けるきっかけとなることに期待が寄せられています」(小田急生活創造事業沿線事業部・井上剛一部長)とコメントする。

 

 検体測定室を巡っては昨年12月に日本医師会と日本薬剤師会の合意が発表されたことを象徴的に、地域によっては医療機関と薬局の間に軋轢が生じていたケースがあったものの、同店に対しては「地域医師会・薬剤師会ともコミュニケーションは取れていますし、エールもいただいています」(ケアプロ川添代表)と語るように、スムーズに開設したことを強調する。

 

 今後同様に駅ナカでの展開については「まずは登戸での状況を踏まえてから検討することになると思います」(川添代表)と話すに留めるものの、これまで実施してきた測定イベントにおける地域住民・鉄道利用者の手応えから、今後増設していく可能性は高い。

 駅ナカという極めて優良な立地条件における検体測定室の今後にこれからも注目したい。

 

薬局新聞 2015年1月28日付