てんかん専門医と非専門医で診療の質に差も

 医師の責任感が患者の治療を遅らせている可能性がある。

 グラクソ・スミスクラインがこのほど実施した「日本のてんかん医療を取り巻く環境、医師・患者調査」から、このような可能性が指摘された。

 調査結果を分析した東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野の中里信和教授は「診療の質にギャップがある疾患」とのコメントを寄せ、医師も含めた診療の質的向上が図られる体制作りが求められると語った。


グラクソ・スミスクライン、医師・患者を対象に意識調査実施


 調査は神経内科、精神科、一般内科、脳神経外科、小児科に所属し、1カ月に1人以上のてんかん患者を診察している医師を対象に行い、278の回答を得た。


 てんかん診断・治療の難しさについては「診断も治療も難しい」と感じているのは専門医58.1%、非専門医49.8%で専門医のほうが診断・治療の難しさを感じていることがわかった。

 副作用の確認頻度については「年に4回以上」が最も多く専門医で58.1%、非専門医で48.6%となっている。

 ただ、米国神経学会では診察毎に確認することが望ましいとされていることを鑑みると、ややもの足りない傾向とも言えそうだ。


 てんかん専門医との連携については専門医の83.9%が取れていると回答した一方、非専門医では64%に過ぎず、専門医とのギャップが見てとれる。

 てんかん患者を他の病院や専門医へ紹介したことの有無では、非専門医の約45%が「あまりない・まったくない」と回答しており、地域医療における医療連携についても専門医が「連携が取れている」83.9%に対して非専門医の64%が取れていないと答えており、専門医と非専門医の連携が課題であることが浮き彫りとなった。


 調査を解説した中里教授は「患者が最初に受診した医師が専門医かそうでないかで治療の方向が大きく変わる可能性があり、現状はギャンブルのようなもの」と言及。

 またてんかんという疾患の多様性から専門医でも難しさを感じているが、医療連携が行われていないなど、問題が山積しているとし、「医師だけでなく、多くの専門家が関与したチームで治療に望むべき」などと提言している。


薬局新聞 2014年12月10日付