【話題】患者との意見交換から医療人としての❝気づき❞を

 浅草薬剤師会は先ごろNPO法人「患者スピーカーバンク」と

協力したかたちで研修会を開催。

 普段聞くことのできない患者との意見交換を通じて医療人としての“気づき”を得る機会に、同地区会員約40人が議論を繰り広げた。

 今春の調剤報酬改定に象徴されるように、門前型の医薬分業に対する厳しい意見に触れることも少なくない一方で、現場に従事する薬剤師の視点としては、決して手を抜いて患者と接している訳ではないのにそれが伝わらないもどかしさが垣間見える。

 地域社会と患者に求められる薬剤師のあり方について、幅広い意見が示された研修会の一部を紹介したい。

 

浅草薬剤師会 研修会『ワールドカフェ@ASAKUSA』開催

 

 NPO法人『患者スピーカーバンク』と協力したかたちで開催した「ワールドカフェ」は、カフェのようにリラックスした雰囲気のなかで参加者の多くの意見・知識を提示し、それを模造紙に書き込んでいく積み上げ式の意見交換で、一定時間を経て参加者をシャッフルする仕組みとなっている。

 特徴としては結論を無理に出す必要がないことで、数多くの知識・経験に触れながら、明日の業務に反映させていくことを目的としている。

 

 今回のテーマとしては「頼られる薬剤師になるには」「患者の本音を医療にいかすには」が掲げられ、各テーブルには6~7人ほどが着席して意見が交わされた。

 

 議論の緒として患者スピーカーバンクの間宮清氏から、薬剤師業務について寄せられる意見事例があげられた。

「他の患者のいる前で薬と病状の説明をされ、嫌な気分になった」といったものや「女性固有の疾患なのに男性の薬剤師から服薬指導されることになり、気が気でなかった」など、薬剤師が何気なく行っている行為に対して患者・利用者は不快に感じることもある点などが例示された。

 こうした視点を踏まえ各テーブルでは日常業務の中で感じる率直な思いの提示にはじまり、自身が考える理想的な薬剤師像などが述べられた。

 

患者から求められる薬剤師のあり方を模索

 

「頼られる薬剤師になるには」で示された考えでは、そもそも『頼りにされる』ためには患者側の立ち居地であることを明示しなければならず、「医師にもしっかりとした意見が言えることが必要」といった考えが示された。

 しかしながら、その実行には薬剤師としてはもちろん、人間としての知識・経験・深慮が必要であり、日々の勉強や研鑽が必須であることがあげられた。

 また直ぐに実行できる部分としては「患者さんと目を合わせて話す」ことや「患者さんとの一期一会を大切にする気持ち」といった考えなどが示され、患者一人ひとりの複雑な悩みを包み込める受容体であることの重要性が提示された。


 一方の「患者の本音を医療にいかすには」においても「患者との信頼感」や「患者立場になって物事を考える」「真意を聞き取る力やアイコンタクト」などの意見が出されるなど、2つのテーマには共通項が多くあることが示唆され、それぞれのテーブルのまとめが述べられ、ワールドカフェは終了した。
 参加した薬剤師に話を聞くと「日常業務の中で感じている部分について指摘されると考える部分は多かった」といった意見や「患者団体の方の講演としてもよかった」といった声が寄せられ、薬剤師として目指すべき方向性や、求められる役割について整理ができたことの手応えが垣間見えていた。

 

薬局新聞 2014年7月23日付