健食機能評価に関するガイドライン委員会を設置

 日本抗加齢医学会は会内に健康食品機能表示ガイドライン委員会(GL委員会)を立ち上げた。

 現在議論が進められている消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」では科学的根拠を提示することを求める方針となっており、GL委員会は科学的根拠の立証作成が厳しい中小零細の健康食品企業等のフォローも視野に入れている模様だ。

 

アカデミアによる評価実施へ

 

 GL委員会は大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学の森下竜一教授が委員長を務めているほか、慶應義塾大学医学部教授の伊藤裕氏、国際医療福祉大学教授の太田博明氏など臨床・薬学の教授らが名を連ねている。

 このほかにGL委員会は、日本医師会や日本薬剤師会などからもオブザーバーとして参加していることが特徴だ。

 森下委員長は先ほど行われた日本抗加齢医学会の中で本紙取材に対し、「各メーカーごとに健康食品の評価を実施するよりも、第三者としてアカデミアに中間に入ってもらい評価を実施するほうが、データとして客観性があるとの考えに基づいている」とコメントし、同委員会としてはデータブックの作成などにも医師会・薬剤師会から協力を仰ぐ方向にあると語った。

 

 その一方で、現在消費者庁が進めている健食表示検討会との兼ね合いについては「まだまだ検討会としての方向性が固まっていないので委員会としては動きにくいが、システムテック・レビューを求める方向となっている。ただこの手法は莫大なエビデンスの中から有効な結論を得ることを求める流れになりつつあるもので、これについては個別企業で対応するよりも、学術団体がまとめたほうが効率的ではないかと思う。確固たるエビデンスを求めるのは企業にも負担が大きい」との見方を示し、なにより生活者が混乱しない体制づくりにするべきとの意見を寄せている。

 

 オブザーバー参加する日本薬剤師会の藤原英憲常務理事は、「健康食品のエビデンスについて意見している。日薬としてもあまりに疑わしい製品が流通するより、一定のバックボーンが得られている製品のほうが生活者のセルフメディケーションに貢献できる」と語り、広告ベースの製品が散見される健食市場において、実証実験結果が得られている製品作成を後押しする考えを明らかにしている。

 

 なお、健食表示検討会は新たな表示制度素案を「最終製品を用いたヒト試験による実証実験を行い、安全性と表示内容が実証された製品にのみ機能表示を認める方向」を提示しているが、健康食品メーカーなどが参加する業界団体などからは「実証実験には費用がかかりすぎる」「内閣が示した規制改革案は、世界並みではなく、世界最先端を指示していることに逆行する」などの意見が示されている。 

 さらにGL委員会の森下氏は内閣の規制改革会議の委員を務めていることから、健食表示検討会の議論の方向性によっては、新たな動きが出る可能性もあると言えそうだ。

 

薬局新聞 2014年5月28日付