検体測定室ガイドラインの実効性に疑問

 再び新たなグレーゾーン問題に陥る可能性も。厚労省が4月に示した検体測定室に関するガイドライン(GL)について、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は今後の運用に慎重な姿勢を示している。

 検体測定室GLと、その根拠となる臨床検査技師等に関する法律に基づく告示の一部改正をめぐっては、薬局等での実質的な簡易検査に基づく機能拡大の可能性が期待されているが、JACDSは厚労省のGLに沿った展開では「具体的な実効性に不安が残る」(宗像守事務総長)と指摘。

 内容の検討などを通じ、実効性のある運用や仕組み作りに働きかけていく方針にある。

 

新たなグレーゾーン問題への発展も懸念

厚労省のGLに関しJACDSでは商業ベースでの実効性を不安視している
厚労省のGLに関しJACDSでは商業ベースでの実効性を不安視している

 

 検体測定室に関するGLで厚労省は、「診察の用に供しない検体検査」との位置づけで医師または薬剤師、看護師、臨床検査技師を運営・管理責任者として配置することを筆頭に、所定の要件を満たして申請すれば薬局などでの検体測定を正式に認める反面、健診との誤認を与える積極的な宣伝活動や誘導、測定結果に対する受診勧奨の助言以上の回答や、販売行為に結びつけることを禁止している。

 

 例えば仮に測定結果が受診勧奨レベルに満たないまでも、健康維持に気をつけたほうが良いと思われるような状況に際し、健康食品などの提案販売はもちろん、運動や食事などの具体的なアドバイスなども認められないとの解釈になる。

 

 先ごろ定例会見でJACDSの宗像事務総長は、長らくグレーゾーンだった自己採血検査の課題を解消し、都道府県による許認可の概念ではなく実施しやすい申請扱いとしたことを評価しながらも、受診勧奨以上の提案や情報提供などが医行為と見なされかねない点について、「あくまで今回の動きはグレーゾーンを解消したに過ぎず、規制緩和ではないということ」と強調。現時点のGL解釈では商行為への発展性が厳しいことを踏まえ、薬局やDgSが取組む業務としての実効性に疑問を呈した。

 

 例として糖尿病診断アクセス革命が展開するヘモグロビンA1c測定などの場合、数十万円する高価な機器を導入・運営するだけの投資を何らかの形で回収する目処が立たなければ、確かに取組みとして広がることは難しいと思われる。

 

「まるで医師会が書いたようなガイドライン」

 

 GLの内容について宗像事務総長は、インフルエンザの時期になると多くのドラッグストア(DgS)店頭で予防やワクチン接種に関する活発な広告が行われるアメリカの状況をあげながら、「結果に絡めた提案や販売が行えず、広告も“ワンコイン”などの健診を思わせる表現も駄目。まるで医師会が書いたような文章」と、商業ベースでの実効性をことごとく排除されている様子を痛烈に指摘した。

 

 一方、厚労省と同時期に経済産業省から出されたグレーゾーン解消制度に関するGLでは、薬剤師の職能拡大に絡み健診データに基づいた情報提供や指導の推進に触れられている矛盾を提示。

 例えば他店舗・支店などで得られた測定結果を引き受けたり、端的には直後にその場ではなく店内を一回りしてから結果が持ち込まれた場合なら良いのかということになるとし、「確かにグレーゾーンは解消されたが、経産省などが進める取り組みとのミスマッチが起こる制度上の不具合を感じる。新たなグレーゾーンができたようなもの」との危惧を寄せた。

 

 こうしたGLの受け止め方からJACDSでは、可能性の一方でDgSでの具体的な対応を早急に検討する必要があるとし、業界にとって運用しやすい仕組みを求めていく意向を示している。

 

薬局新聞 2014年5月14日付