ファミリーマートとMSNがコンビニ併設薬局1号店を出店

 コンビニ大手のファミリーマートとメディカルシステムネットワーク(MSN)は、昨年結んだ業務提携に基づくコンビニ併設型薬局1号店「ファミリーマート+なの花薬局新宿百人町店」を東京・新宿に出店した。

 ファミリーマート(以下ファミマ)は近年、高齢社会を踏まえた健康志向の次世代コンビニ開発において中堅ドラッグストア(DgS)や調剤薬局との複合店舗展開を活発化しているが、MSNとの提携戦略は薬局を対象としたフランチャイズ(FC)ビジネスを共同で目指す点から「最もメーンとして考えている」(本多利範常務執行役員新規事業開発本部長)と説明しており、同店を皮切りとして数年以内に薬局FCのノウハウ確立を図る構えだ。

 

薬局コンビニFCを明確に意識したモデル模索へ

 

 両社の提携1号店は区の中核医療施設・東京山手メディカルセンター(旧社会保険中央総合病院)最寄りのファミマ既存店を改装し、売場43坪の奥部約26坪に薬局を組み込んだ。

 コンビニは24時間営業だが、薬局部分は薬剤師2名体制・平日9時~18時の営業で、調剤用備蓄薬1000品目とOTC薬170品目を揃える。

 また、隣接した棚には衛生・ケア用品を充実するとともに、昨今ファミマが力を入れる栄養調整食品、“やわらか食”を強化するなど、DgS・調剤薬局との提携を踏まえた健康志向の売場作りを行う。

 

 ファミマは現在までにヒグチ産業、コクミンなど12社と19店舗のDgSや薬局の複合店舗を出店しており、医療・健康関連のニーズ対応や介護を含めた相談応需、健康志向の中食、宅配サービスといった機能を拡充した『ライフソリューションストア』の開発を今後の事業戦略上のコンセプトに打ち出している。

 

 MSNとの1号店開店に際して会見したファミマの本多常務執行役員は、東日本大震災以降、コンビニに小商圏での買い物ニーズが高まる情勢に加え、高齢社会の構造変化を反映した業態開発の必要性を説明。

 「提携各社の経営資源を互いに有効活用しながら、健康というキーワードでより地域密着を図りたい」とするとともに、MSNとの取組みについては「他パートナーと違って調剤を中心とした(FCの)仕組みを含めた業務提携」としてMSNのネットワーク事業に加盟する800店余りの中小薬局でFC事業に乗り出す意欲を示した。

 

 今後、共同出店でのノウハウ収集を経て2年以内にMSNグループ薬局でのFC展開を図る計画にあり、「最低でも1000店舗規模の体制を目指す」方針だ。

 ファミマは昨年ファーマライズホールディングスとも都内でコンビニ複合薬局を手がけるほか、15坪と小型で調剤にも対応した薬ヒグチ亀戸東口店を現時点での成功事例に「(中小薬局の限られた)15~20坪程度でも成り立つフォーマット、中核となる品揃えの確立」を課題にあげている。

 

薬局経営の転換点踏まえた取り組み強調

門前薬局激戦地に出店することで優位性を検証する(ファミマ薬局は写真右奥)
門前薬局激戦地に出店することで優位性を検証する(ファミマ薬局は写真右奥)

 

 一方、MSNの田中義寛常務はファミマとの提携戦略について、業界に大きなインパクトを与えたとする今年度調剤報酬改定を象徴に、「病院門前で処方せんだけを提供する薬局は必要ないと突きつけられる状況にあり、高齢社会の2025年問題に向けた地域包括ケアの枠組みで、どのように薬局が役割を果たすべきかの1つの解決策」と薬局経営が転換点にあることを指摘。

 コンビニ機能の融合を図ることで、「医療だけではなく食品など様々なサービスを提供していく」とネットワーク加盟店の経営支援の観点から新しい時代の薬局像を模索する意欲を示した。

 

 同様のコンビニ併設展開はローソンとクオールなど主要コンビニでも進みつつある。

 こうした他社との違いとしてMSN田中常務は、最初から薬局FCを想定した取組みであるとともに、「我々はコンビニ立地に調剤を付加するのではなく、あくまで薬局をベースにコンビニ機能を足すモデル」と強調し、原則として直営調剤薬局に組み込む形でファミマと独自のコンビニ売場併設実験を重ねていくとした。

 

 今回の1号店については外来患者数1100人規模の大型門前立地で、うち7割近くを近隣10薬局前後が応需する状況において、「調剤単体で新規出店すると1日30~40枚前後の立地として、後発でファミマとの連携でどれくらい増やせることができるのか検証したい」と、門前激戦地におけるコンビニ併設の優位性発揮が注目されるところとなっている。

 

薬局新聞 2014年4月16日付