依然「ヨヤクスリ」の全国展開に意欲

 ケンコーコムは本紙の取材に対し、処方せん内容のFAX送信サービス『ヨヤクスリ』に関して「現在FAX未対応の地域の薬局から対応がいつになるのか質問を頂いているケースも多く、できるだけ早急に対応を進めたいと考えている」(広報室)との手応えのもと、改めて5月をめどとする全国的な展開に意欲を示した。

 ヨヤクスリには現時点でサービスを進める東京、神奈川の薬剤師会がサービス内容や実施状況に対する疑義などを同社へ照会しているが、「改善が図れる部分については急ぎ対応を進めている」など引き続き現場の理解を求めていく構えにある。

 

業界指摘への対応・改善で引き続き理解求める

 

 サービス開始1カ月の様子について同社は、現段階では数字としての実績は公開していないとしながら、「薬局から掲載を求める声なども頂戴し、データベースの整備を進めているところ。利用者からは大きなトラブルの声は寄せられておらず、(サービスの体験を促す目的で3月末までポイントを10倍で提供する)キャンペーンの延長を求める声も頂いている」と、概ね順調に推移する状況にあると説明している。

 

 一方、業界内で懸念が寄せられるサービス利用者の個人情報の取扱い上の危惧に関しては、「特に処方せん記載の情報はセンシティブ情報として留意すべき情報であるため、取扱いや利用方法については患者に十分理解頂く必要があると認識している」とコメント。

 県薬らの指摘も踏まえ、会員登録時には必ず『個人情報の取扱い』が記載されたページを確認するような形へと設定を変更したことを強調する。

 

 同社は神奈川県薬の疑義照会に対して7日付で同様の回答を行っており、ヨヤクスリのサイト上で処方せん内容をマーケティングや販売促進のための統計データとして利用することを記している件では、「処方せんに記載された情報を統計データとして使用する場合であっても、個人を識別あるいは特定できない状態に完全に加工することなく使用しない」と釈明するとともに、今後予定するサービスとして「処方せんに記載された情報を患者自身に活用いただくことは検討している」とした。

 

情報掲載ではFAX分業の経緯と薬局の公共性強調

 

 現場を困惑させる事態となった十分な理解を得ない状況での薬局情報のリスト化に関して同社では、情報を掲載する基本的な考え方において「薬局が医療機関として公共性が高い施設であることから、一般に公表されている基本的な情報等を集約して掲載している」と説明している。

 

 また、この考え方に沿ったサービスの前提として、「サイト上に掲載した全ての薬局が対応することを想定していない」とし、FAX設置を望ましいとする薬局業務運営ガイドラインなどの内容をあげながら、「ヨヤクスリを通じた薬局へのFAX送信は、従前より認められていた処方せん受け入れ準備体制のためのFAX送信と異なるものではなく、薬局の患者へのサービスにただちに齟齬が生じるものではないと理解している」との認識を寄せている。

 

 ケンコーコムはFAX情報以外の薬局情報についても、薬局が医療提供施設として高い公共性を持つものであり、薬局業務運営ガイドラインに沿って国民にも地域医療に貢献する施設と認識されていることから「公的機関のみならず多くの民間事業者のサイトなどで周知されているところと考えている」と指摘。

 ヨヤクスリの利用により、「様々な取組みと工夫で患者サービスの向上を目指す薬局と、異なるニーズや事情を持つ患者とをつなぐ一助となるため、FAXサービスの提供の有無を問わず、広く薬局情報を掲載させていただきたい」と理解を求めている。

 

薬局新聞 2014年3月26日付