新たな道標とルールで正念場迎えるジェネリック薬メーカー

JGA吉田逸郎会長(東和薬品社長)
JGA吉田逸郎会長(東和薬品社長)

 厚労省が昨春打ち出したロードマップに基づき、使用促進に向けた新たな段階に入った後発医薬品=ジェネリック医薬品(以下GE薬)。

 GE薬メーカー各社は安定供給や情報提供をはじめとした目標数値に対する体制整備を急ぐ一方、次期薬価改定でのGE薬価新ルール導入に伴う厳しい経営環境の変化にも直面している。

 使用促進の追い風と競争激化が同時に押し寄せるなか、GE薬業界は今どのような状況にあるのか。

 ロードマップに基づく日本ジェネリック製薬協会の意気込みをまとめた。

 

使用促進の追い風と同時に競争激化の対応必至

 

 先ごろ行われた日本ジェネリック製薬協会(JGA)の新年互例会で、澤井弘行副会長=沢井製薬会長は薬価改定での初収載6掛け(収載数10品目を超える内服薬は5掛け)、銘柄別の統一薬価導入という方向性を受けて「また薬価をひとくくりにすることで以前のような品質・情報・安定供給に不安が出る可能性がある。

 使用促進というフォローの風が大きく吹くなか、国の目標を達成する努力をしなければならない」と、厳しい時代を迎える覚悟を示した。

 

 3段階の加重平均での薬価統一に関しては、傾向としてグループ上位は下に、下位は上に引っ張られる状況が指摘され、薬価の上昇するものと下がるものとの相殺が想定される一方、利益を確保しているGE薬の収益性が悪化することではメーカーにとってシビアな経営対応を迫られることになる。

 大型GE薬の初収載5掛けを象徴に、さらに業界再編を促すほどの競争環境に入ることは避けられない、との見方が支配的となっている。

 

 同じく新年の挨拶に立った吉田逸郎会長=東和薬品社長も、価格競争が強まる傾向を警戒しつつ、「我々としては後戻り、また停滞することはできない。やれることを確実に進めていくことが大事だと考えている」として安定供給、情報提供の強化などを通じたGE薬業界あげての厚労省ロードマップ達成を強調した。

 

新ロードマップに高まる業界あげての対応機運

 

 新たなロードマップでは、平成30年にGE薬数量シェアを現状の40%から60%に引き上げる計画だ。

 この数値目標は昨年までとは異なり、後発品がある先発を基準とした数値設定で、JGAでは「当然ながら5年後には分母が大きくなるため、現状の1.5倍ではなく倍の生産量を安定供給するための体制を進めていく必要がある」(吉田会長)として特に安定供給に対する信頼獲得を最大の課題に据える。

 

 具体的な取り組みとしてJGAは昨秋、非会員GE薬メーカーも対象とした大規模な説明会を東西で実施。

 ロードマップの周知徹底と対応について業界全体で取り組む姿勢を示すとともに、上位組織の日本製薬団体連合会でジェネリック医薬品供給ガイドラインの策定を図っており、これを統一指針に年度内にもGE薬メーカー各社の安定供給マニュアル策定を呼びかけていく方針だ。

 

 また、GE薬の信頼性に関わる情報提供面に関してJGAでは、文献検索や資料請求、製品の供給情報を一元化した情報提供システムを確立しているが、こちらもシステム会員との形で非会員への参画・活用を促し、業界全体の底上げに働きかけている。

 

 吉田会長はこうしたGE薬メーカー全てに働きかける従来にない活動姿勢を通じ、「今年から環境はますます厳しくなってくるが、できることから進めながら、国策であるGE薬使用促進の流れを断ち切ることがないよう、業界全体で精一杯努力していきたい」との強い意気込みを示した。

 

 互例会に出席した厚労省の原德壽医政局長も、GE薬の薬価新制度を業界にとっては厳しいルールになるだろうとの認識を示す一方、GE薬に対する信頼を得なければ使用促進目標は達成できないとの考え方を強調しながら、「数量シェア60%による生産量倍増を目指すことを国をあげてバックアップする、という状況は追い風。ぜひ努力をお願いしたい」と改めて要請した。

 

 さらなるコスト面での経営努力が求められるなか、使用促進で大きな鍵を握るGE薬の信頼性をかけた品質および安定供給、情報提供という課題に直面するGE薬メーカーにとって今年が大きな正念場となるのは間違いない。

 経済性というGE薬に求められる本質的な使命や品質面はもちろん、製剤工夫など薬物治療の可能性が高められる良い意味での市場の修錬が期待される。

 

薬局新聞 2014年2月5日付