医薬品ネット販売解禁を機に規制依存からの脱却模索するドラッグストア業界

DMSではネットやコンビニにない新たな機能構築の重要性が訴えられた
DMSではネットやコンビニにない新たな機能構築の重要性が訴えられた

 医薬品ネット販売のルールに関する具体的な検討が始まり、引き続き政治主導での強引な展開を伴って来春からの実施が急速に現実味を帯びている。スイッチ直後品目や劇薬的成分の取扱いなど不透明な部分は多いが、事実上の規制緩和として新たな販売経路が定められることで、OTC薬の市場環境に変革をもたらすのは間違いない。

ブランド崩壊、商品ライフサイクル短縮への危惧

 先ごろ横浜で開催されたドラッグストアMD研究会(DMS・櫻井清会長=丸大サクラヰ薬局社長)では、『規制からの脱却・独占的目的来店性をどうつくるか』をテーマに据えてセミナーやディスカッションが図られた。

 

 ドラッグストア(DgS)は他の小売業態との差別化、また収益面でも規制で一般的な物販の市場競争から守られた医薬品販売を核分野に成長を遂げたが、ネット販売解禁を象徴にOTC薬の取扱い自体の特性が薄れるなか、これに代わる業態独自のサービスや機能を確立すべきとの趣旨だ。

 

 ネット販売解禁による影響として、まず価格比較が容易なことで売価下落への懸念が高まっているが、既にリアップやロキソニン、ガスターなど売れ筋1類薬の価格は実質解禁状態となって以降、現在までに実勢価格が2~3割下落しているとの報告もなされている。

 

 競争激化・収益低下は当然ながら、DMS顧問で日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)事務総長を務める宗像守氏は、さらに商品のライフサイクルに与える影響を強調している。

 

 「新製品が発売後すぐ値崩れする家電などを見ても明らかなように、(カカクコムなどで比較が一目瞭然な)ネットでの購入が生活者に普遍化すれば製品寿命は著しく短縮化する」。

 

 もともとOTC薬は規制に守られてきた経緯から、他分野と比べてロングセラー商品が多い。特にネット販売では保健薬を中心としてブランドが立ったものが真っ先に売れ筋となるだけに、価格とともにブランド・商品価値が何らかの影響を受けることは避けられないだろう。

 

 DgSの場合、スーパーやコンビニなどと違って対策としてのPBも比較提案できるNB商品を前提としているため、宗像氏は「売上や収益を保っていたブランドが減る打撃は大きく、現状のままの戦略では通用しない」と警告する。

 

※こちらは記事の前文です。

 

薬局新聞 2013年8月28日付より