行楽シーズンにハチ刺されへの適切な予防策を

ファイザーでは子ども達への啓蒙活動として、獨協医大病院の平田講師と昆虫に造詣が深いタレントの哀川翔さんを招き、夏休み前日に東京・品川区立第一日野小学校でハチ刺され予防の特別授業を実施した
ファイザーでは子ども達への啓蒙活動として、獨協医大病院の平田講師と昆虫に造詣が深いタレントの哀川翔さんを招き、夏休み前日に東京・品川区立第一日野小学校でハチ刺され予防の特別授業を実施した

 ファイザーは先ごろ実施したネット調査において、ハチに刺されないための予防策や刺された時の処理に関する認識が十分でなく、特に重い症状を来たす“ハチ毒アレルギー”への危機意識が乏しいことが明らかになったとして警戒を呼びかけている。

 

 子どもの昆虫採集をはじめ、夏季長期休暇に伴う行楽シーズンに際して正しい知識を備えて身近な啓蒙を図りたい。

 

 

ハチ毒アレルギーによるアナフィラキシーの認識不足強調

 食物アレルギーによるアナフィラキシーは広く認識されるようになったが、ハチ刺されでも同様のアナフィラキシーが起き、年間20人前後が死亡と野生動物の中で最多の犠牲者を出している実態はあまり知られていない。ハチ毒にアレルギーがなければ痛みやかゆみ、腫れなど局所症状で済むが、刺された人の10~20%が蕁麻疹などの皮膚症状や嘔吐、浮腫、呼吸困難といったアナフィラキシー症状を起こし、うち数%は意識障害や急な血圧低下による重篤なアナフィラキシー・ショックを起こすとされる。

 

 獨協医科大学病院呼吸器・アレルギー内科の平田博国講師によると、「ハチに刺された人の5人に1人は毒への抗体ができ、再び刺された時にアナフィラキシーを起こして最悪の場合、命に関わる危険なショック状態を起こす危険性が高くなるとの報告もある」という。実際、アファイザーがハチに刺されたことのある20歳以上の男女500人を対象に実施した調査でも、約4割がハチに刺された時に吐き気や発汗、めまい、息苦しさなどアナフィラキシーの疑いがある症状を経験。さらにアナフィラキシー・ショックの疑いがある症状を経験したことがある人も4.8%あった。

 

 しかしながら、再度刺された際の症状に関して尋ねると34.6%が「前回と同程度の症状」になると思うとし、「前回よりも軽い」9.4%、「わからない」13%をあわせると57%が発症リスクへの危機意識が乏しいことが示された。受診意識は薄く、ハチに刺されてアナフィラキシーの疑いがある症状を発症していた人でも受診または医師に相談しなかった人は半数以上の53.8%にのぼっている。

 

 また、応急処置について調査では「毒を指で絞り出す」65.4%、「傷口を水で洗い流す」83.6%、「患部を冷やす」77.6%といった適切な対処が知られる一方、現在では効果がないとされる「アンモニア水を塗る」が49.2%と高かったことに言及。調査を解説した獨協医大病院の平田講師は、ハチ刺されによる全身症状出現が食物と比べて早く、最悪のケースである心停止まで15分ほどであることから、異常を感じた際の迅速な受診と、万が一の備えとして「ハチに刺されて全身症状が出た経験のある人はもちろん、ハチに遭遇する可能性が高い場所に行く場合には、唯一の応急処置であるアドレナリン自己注射薬を携帯すると良い」と指摘している。

 

 もっとも、ハチ毒に対する1番のリスク回避は“刺されない”こと。今回の調査結果を踏まえて平田講師は、「ハチを刺激しない」「巣を見たら近寄らない・触れない・激しく動かない」「黒い服やヒラヒラする服装は避ける」「ハチを刺激する香りや匂いに気をつける」、もしハチに攻撃されたら「目を閉じて顔を下向き加減にし、身を低くしてじっとする」「走らないよう、速やかにその場から離れる」など、ハチの習性や予防策の理解を深めることを呼びかけている。

 

薬局新聞 2013年8月7日付