健康寿命を延ばすには歩行速度の維持を

 サントリーは先ごろ、ロコモティブシンドロームをテーマとした健康セミナーを開催した。

現在、要介護認定者数は増加の一途をたどり、厚労省調査では2012年で533万人を記録。要介護になる原因としては骨折・転倒や関節疾患などの“脚の老化”が脳卒中や認知症に並ぶ主原因となるなど、ロコモティブシンドロームが問題となっている。

そうしたことを踏まえ、今回のセミナーでは京都大学大学院の森谷敏夫教授が、その現状や対策、また歩行速度と寿命の関連性などについて解説した。

 

健康寿命のばすには歩行速度の維持を サントリー・ロコモティブシンドロームに関するセミナー

 森谷教授は、脚の老化対策として関節・筋肉・骨に良い栄養分を含んだ食事とともに、運動による筋肉の維持が重要とし、「筋肉の退化は老化ではなく使っていないから。全て老化のせいにしてはいけない」と強く訴えた。また歩行速度と生存率に関するデータを示し、歩行速度が落ちると寿命も短くなることを指摘。「歩行にはエネルギーや運動調節などが必要で、これらは心臓や肺、循環器系、神経系、骨・骨格系システムに多くの要求を負荷する。そのため遅い歩行動作はこれらシステムの障害等を反映していることが考えられる」とし、脚の筋肉を維持して歩行速度を保つことが健康寿命をのばすためにも重要との認識を示した。

 

 さらにセミナーでは、サントリー健康科学研究所の神崎範之氏が講演し、軟骨・筋肉に役立つ成分の摂取による歩行速度の改善に関する研究成果を発表した。この研究では「グルコサミン」「コンドロイチン」「II型コラーゲン」の軟骨に役立つ成分と、「イミダゾールペプチド」「ケルセチン」「ビタミンD」の筋肉に役立つ成分を合わせて摂取することで、ひざ関節の痛みの緩和と筋力増強を促進。それにより歩行速度が上昇したとの成果を示し、軟骨と筋肉両方へのアプローチという新発想の脚の老化対策を提案した。

 

薬局新聞 2013年6月26日付