伊吹衆議院議員に薬剤師から賛辞

ネット販売について語る伊吹衆議院議長と厳しい表情の安倍総理
ネット販売について語る伊吹衆議院議長と厳しい表情の安倍総理

 「勇気を持って大切なものを守らなくてはならない」、「あくまでもスイッチ直後 品目の安全性確保」。一般用医薬品のインターネット販売に関する攻防は、日本薬剤師会創立120周年の会場においても火花が散った。

 来賓挨拶でネット販売慎重派と推進派の意見が交錯し、具体的な方向性が固まる秋まで、政治方面での駆け引きが続きそうだ。

 ネット販売慎重派である伊吹文明衆議院議長は「日薬の120年は、健康を心配する国民と地域薬局や医療機関などで向き合ってきた薬剤師の積み重ねの歴史だと思っている」と前置きしたうえで、安倍晋三総理も会員として名を連ねている薬剤師問題議員懇の会長として、「成長戦略の一環として、ネット販売が大きくクローズアップされている。しかし人間の成せることには長短がある。長所は必ず短所に繋がる。インターネット販売では利便性が長所であり、それを最大限に活かしながら短所が出ないように押さえていくことが課題」と指摘し、具体的には「利用者がサイトを開く際、本当に有資格者なのかどうかという識別。これまでネットに馴染みのなかった薬局・薬店にどのようにサイトを開設してもらうのか。その費用をどうするのか。助成措置をどうするのか」などと列挙。

 

 総論として「互いに勇気を持って大切なことを伝統として守り抜く。同時に新しいものを取り入れて生きていかなくてはなりません。薬剤師が国民・生活者のために何ができるか。薬剤師問題議員懇として考えなければならない」と語り、早急な全面解禁に疑問を呈すと会場からは大きな拍手が沸き起こった。

 

 これを受け挨拶した田村憲久厚労大臣は「成長戦略では、ネット販売全面解禁を認める方向で議論されている。その際には消費者の安全性が確保されたしっかりとしたルール作り最重要である」と話す一方、「特に医療用からのスイッチ直後品目に関しては、医療用医薬品に準じたかたちで慎重な販売と使用を促す仕組みづくりについて、医学・薬学の専門家による検討会を秋頃までに立ち上げて結論を得たい。ネット販売可能製品に関しても、消費者が薬剤師からの適切な情報提供に基づき、安心して使用できるようにする仕組み作りが重要であり、これに関してもしっかりと検討していく」と続け、一部の第1類を除き原則として全面解禁を容認する従来からの考えを述べるに留まった。

 

 その一方、記念式典後の祝賀会では「薬剤師の声を代弁してくれた」と伊吹衆議院議長に対する賛辞が多く聞かれたほか、安倍総理がネット販売についてひと言も触れなかった点に失望した意見も散見された。

 

薬局新聞 2013年6月19日付