【コラム・時流】困難多くも医療従事者が得られる達成感

「困難は多いが、医療は『幸せになれやすい職場』なのだ」。日本薬学会第133年会の講演で、聖路加国際病院の鳶巣賢一氏は実務での課題以上に、医療連携で共有すべき“心”に多くの時間を割いていたのが印象的だった。 

 冒頭の幸せは医療従事者のそれを指している。医療は目の前の治療で完結するものではなく死に向けて生き続ける人への継続的な業務で、まさに人生を支援する意味において相手から得られる達成感は大きい。鳶巣氏はサン=テグジュペリの星の王子さまを引用しながら、「他人を気にかけて良くすることが自分を幸せにしてくれる。それも一般的なビジネスと違い、患者のほうから求めて歩み寄ってくる」との構図を強調した。当たり前ながら、この患者起点での意識と価値観の共有が医療連携の実践で最も重要な基盤と鳶巣氏は指摘する。確かに薬局薬剤師にとって店頭を超えて臨床、在宅となればその要素は一気に増す。ハードルの高さに応じた取り組むべき価値を改めて理解できた気がした。

 

薬局新聞 2013年4月10日付