【薬局レポート】ココカラファイン 吉祥寺南口店

社名冠した初のドラッグストアをオープン 独自の“おもてなし”の取り組みで差別化図る

 

ココカラファイン 吉祥寺南口店(東京都武蔵野市)

 

 ココカラファインは5月1日、社名を冠したドラッグストア(DgS)『ココカラファイン吉祥寺南口店』をオープンした。さまざまな施策や取り組みを試行するパイロットショップとして位置づけられる同店では、コーポレートスローガンである“おもてなしNo.1企業になる”の実現を目指した独自の取り組みで来店客の反応を探っていく。同社では、こうした旗艦店を近いうちに数店舗出店し検証・試行を行っていく方針であり、既存店の特長・魅力を結集した“おもてなし”に今後も期待がかかる。

 

●独自の“おもてなし”の取り組みで差別化図る

 

 同店は、若者を中心に人気が高く休日ともなると大勢の人でごった返す東京都武蔵野市・吉祥寺駅の目の前に位置しており、申し分ない立地条件と言える。その一方で、多数のドラッグストアがひしめき合い激戦状況にある吉祥寺エリアにおいて、いかに独自性を発揮し来店客を獲得するかは思案のしどころだろう。同店担当者も「多数のDgSが立ち並ぶ吉祥寺で一定の結果を出せれば、今後の店舗展開の指針にもなる」と話しており、生活者に同社理念である“ココロ・カラダ・元気”を浸透させ地域の健康に貢献していきたい考えを強調した。

 熾烈な価格競争に発展することも想像に難くないが、同店ではフェアプライスでの展開を想定する。価格競争よりもサービス面で独自性を発揮していく方針で、実験店としてさまざまな施策を用意している。スローガンにもなっている“おもてなし”に関する取り組みには特に力を注いでおり、その中の一つが「おもてなし係」の設置だ。具体的な役割としては、来店客の売場誘導や健康相談などに対応する係で、最低でも売場に一人は配置するという。薬剤師や登録販売者など白衣を着たスタッフが中心となって行い、積極的に声をかけていきながら来店客とコミュニケーションを図ることが狙いだ。こうした「おもてなし係」に限らずとも、スタッフ育成としては売場での動きや接客などの研修はしっかりと時間をかけて行っているとのことで、最高のおもてなしを提供すべくスキル向上に日々磨きをかけている。

 

●豊富な化粧品で滞在時間長く

 

 店舗は1階と地下1階の2フロア展開。全体での売り場面積は約150坪となっている。1階では、1類薬を含めた医薬品や日用品のほか、酒や文房具なども展開するなどコンビニDgSといった要素が強い。今回の店舗に関しては調剤を併設しておらず、今後の実験店では売り場面積や地域特性を鑑みながら調剤併設の店舗も検討するとしている。
 販売の際には医薬品優先のレジを設け、急を要する医薬品購入者に対しては並ばず優先的に支払いができるようなシステムを採用しているほか、買ったその場で薬が飲めるようウォーターサーバーも設置した。店内の表示に関しても、症状などで選べるよう工夫を施すなどわかりやすさにこだわった設計となっている。

 地下1階では化粧品を展開し、若者が多く集まる地域性を考慮して化粧品は種類を豊富に取り揃え、既存のセイジョー店舗と比較しても最大級の品揃えとなっており、ギフト用のラッピングサービスなども行う。販売中心でレジの混雑が予想される1階と異なり、地下1階では豊富な化粧品をメリットに、来客者に長く滞在してもらえるような設計とした。同様の理由で健康食品などに関する相談スペースも地下1階に儲け、ゆっくりと相談対応できる体制をとっている。
 両フロアには多数のモニターを設置した点も特徴的で、ポスターではなく映像でアプローチを図り、テレビCMなどとも連動した販促で購買意欲を喚起する。また、同店では天井や什器などの照明を全てLEDにするなどエコにも注力。環境にも配慮した店舗設計は既存店の特長をしっかりと受け継いでいる。

 同社では、来年4月をめどに子会社を統合する計画で、ITや物流などの整備を行うとともに、統合に合わせ社名も一新する考えだ。統合後の店名はまだ未決定としているものの、「ココラカファイン」の社名を冠した店舗は今回が初の試みであり、同店を含めた実験店の担う役割は大きいといえそうだ。

(K.O)

 

『薬局新聞』2012年6月16日